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詩太
u-ta
「穏やかな時間」をテーマに、詩や絵や物語の創作を行う詩人・画家。

詩から始まった創作活動は、水彩画・アクリル画・デジタル画・物語の創作へと表現の幅を広げ、さまざまな手法を用いて温かな世界観の作品を創り出す現在のスタイルに至る。

創作以外にも、これまでに30回以上の個展開催、詩画集出版、ライブペイント出演、人権講演、子ども向けワークショップ開催など精力的に活動を行っている。

福岡県出身、1987年生まれ。

Story『弱さと共に強く在る』

3月3日、
一件の依頼が入った。

 

きっかけはInstagram
神奈川県在住の方だった。

 

「結婚して親元を離れるので、
両親へ家族全員の名前で書いた作品を贈りたい。」

 

作品の打ち合わせに入り、
家族構成を尋ねた。

 

父、母、姉(依頼主さん)、弟…の4人家族

だったそうだ。
5年前までは。

 

弟さん、
5年前に19歳という若さで
不慮の事故で他界されたという。

 

メールの本文には、

残された家族3人が
ある日突然真っ暗闇
突き落とされたこと、

それでも、
家族で支えあって
5年たった今、
笑い合えるようになったことが
綴られていた。

 

軽はずみな言葉は書けない。

 

両親の5年間の想い、
姉の想い、
弟が今伝えたいこと、

 

その見えない部分
思考を広げていく。

すると、
いろんな想いが溢れてきた。

 

「昔、家族や友達と語りあった未来には、
当たり前の様に“4人”の家族がいただろうな」

 

「家族そろって迎える今が
一番幸せなのは間違いない。
でも、
きっと形は違っても
1人欠けた今でしか
気が付けなかった事が
あるんじゃないかな?
それは、
命の大切さだったり、
人の優しさだったり、
家族の絆だったり…するんじゃないかな?」

 

「きっとさみしさは消えない
反抗期だった弟とのケンカの思い出も、
伝えておけばよかった…
という後悔もきっとあふれてくるんじゃないかな」

 

「そんな、さみしさ後悔
強がりに似た強さを持って
5年間生きてきたんじゃないだろうか。」

 

依頼の作品は
名前で綴る言葉として
お届けしたのだけど、

 

そのあとも
このご家族の事を思いだしては
あれやこれや考えてたら

 

浮かんできたフレーズがある。

 

そのフレーズから
イメージを広げて書いた
この詩は、

家族を亡くし、
それでも強く
たくましく生きる
ご家族から学んだ、
大切な想いです。

【弱さと共に強く在る】

弱さと共に強く在る  /   詩太

 

 

昔、だれかと共に思い描いた未来とは

違う「今」があって

でも、きっと

そんな「今」でしか

気付けない大切な事があって

時々あふれてくる

後悔やさみしさと一緒に歩いていくんだ。

仕方ないんだって

それでいいんだって

自分の心とケンカして

強く強く生きていくんだ。

 

2015.6/8  詩太

弱さと共に強く在る

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