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詩太
u-ta
「穏やかな時間」をテーマに、詩や絵や物語の創作を行う詩人・画家。

詩から始まった創作活動は、水彩画・アクリル画・デジタル画・物語の創作へと表現の幅を広げ、さまざまな手法を用いて温かな世界観の作品を創り出す現在のスタイルに至る。

創作以外にも、これまでに30回以上の個展開催、詩画集出版、ライブペイント出演、人権講演、子ども向けワークショップ開催など精力的に活動を行っている。

福岡県出身、1987年生まれ。

story『16枚のポストカード』~5歳の少女が教えてくれた“今”と“命”の大切さ~

まだ保育士として働きながら詩太として活動していた時代の話。

2010年4月。
ある依頼が入りました。

 

「余命2ヵ月の女の子に名前入りの言葉を書いてください。」



余命という身近に感じたことのない言葉に
胸が苦しくなりました。
詳しく話を聴くと、
女の子はまだ5歳
小さな身体で闘病生活を送っているという。

 

依頼の言葉を書きながら
その女の子に何かしてあげられることはないだろうかと考えていました。

そして、考えた末に辿り着いた答え。

 

“明日に楽しみが待っていたら、それが生きる希望になるんじゃないか”

そうする為に今の自分に何ができるのか?

“毎週ポストカードをプレゼントしよう。明日を楽しみに生きられるように”

その許可をもらおうと、
作品にご両親への手紙を添えて送った。

 

数日後、ご両親から届いた快諾の手紙。

手紙に添えられていた写真には
まっすぐな笑顔できらきら輝く女の子が写っていました。

命の炎を燃やして笑うその女の子は、
間違いなく明日を諦めていなかった

 

その日から、
ポストカードが繋ぐ女の子との関係が始まりました。

 

1週間に1枚
心を込めて贈った。

 

時々返ってくる返事のお手紙や
手紙に添えられた
作品と一緒に笑う女の子の写真を
見るたびに
『余命』という言葉を信じたくない気持ちが強くなっていきました。

 

 

 

でも、

病魔は少しずつ小さな少女の身体を
蝕んでいきました。

 

・・・・・・・・・・・・。

 

そして、16枚目のポストカードを送った週、
2010年8月に
女の子は天国へ旅立ちました。
白血病を発症し、
余命宣告を受けてから4ヶ月。
5年間の生涯を終えた女の子。

少しでも明日を生きる希望を与えることができたのか
その子や家族の心の支えになれたのか、
それは分からないけど
その女の子の命が本当に大切なことを教えてくれました。

 

「生かされている自分(ひと)は、と“”を無駄にしてはいけない。」

 

そのことを、自分の言葉でたくさんの人に伝えていきたい。

小さな女の子が最期の一瞬まで一生懸命生きたように。

 


image

『命』


あなたにとってのなんでもない今日が

誰かが「生きたい。」と望んだ大切な明日。

あたり前にくる今日なんてないって思えたら

もっと命(いま)を大切に生きられるかな。

 

 

2016.2/7

詩太

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