MENU
詩太
u-ta
「穏やかな時間」をテーマに、詩や絵や物語の創作を行う詩人・画家。

詩から始まった創作活動は、水彩画・アクリル画・デジタル画・物語の創作へと表現の幅を広げ、さまざまな手法を用いて温かな世界観の作品を創り出す現在のスタイルに至る。

創作以外にも、これまでに30回以上の個展開催、詩画集出版、ライブペイント出演、人権講演、子ども向けワークショップ開催など精力的に活動を行っている。

福岡県出身、1987年生まれ。

『カマキリ』story~傷つけたいわけじゃない~

カマキリ

カマキリ  /  詩太

ふれるもの全部

傷つけてしまう

自分が嫌い

 

傷つけたいわけじゃない

 

ただ好きなだけなのに

ただ抱きしめたいだけなのに

 

 


 

 

保育士時代の話。

 

クラスの中に

僕にべったり甘えん坊の

男の子がいました。

 

抱っこできるときは
なるべく抱っこしてたけど
クラスには20人以上の子どもたち。

当然、
1人の子どもに
付きっきりになるのは
難しいわけで

抱っこからおろして
他の子どもと関わってると…

その男の子、
友達をひっかいたり
友達が作っているブロックを壊したり
テーブルに登ったり
部屋からとびだしたり

気を引く行動をはじめるんですね(^-^;

しまいには、
僕を叩いてきたり
友達をひっかいてしまったりして。

その時の
「やってしまった…」という
ひきつりながらの笑顔で
ごまかす表情。

今でも忘れられない。

本当は
傷つけたくて
傷つけてるんじゃないってこと
わかってる。

やり場のない
気持ちのほこ先を
どこに向ければいいのか
わからないだけなんだ。

こんな時
その子の心の背景も考えないで
その行動“だけ”を見て
頭ごなしに怒る事は
してはいけない。

負の連鎖が始まって
まだ生まれて数年しか
経ってない心が
壊れます。

子どもと関わる大人は
そんなときでも
抱きしめてあげられる優しさ
背景を想像する力
絶対に必要だ。

そう思います。

2015.6/10  詩太

カマキリ

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

Share it
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください